知らないと一生損する包丁等の押し切り/引き切りとその理由とは?刺身包丁の研ぎ方,金ノコ/木ノコ/斧の違いも解説。

押し切り 引き切り 落とし切りのどれが最適かを解説している包丁の画像

刺身包丁、金ノコ、木ノコ、斧、出刃包丁、普通の包丁は、みな刃物ですが、
全部使い方が異なります。

押し切り で、切らないといけないのに、
引き切り で切ったり 落とし切り(叩き割り)で切ろうとしたりしていては、
ものが切れないだけでなく、切られる方も悪くなってしまい、
料理であれば美味しさが失われますし、
機械であれば壊れますし、刃物も悪くなり、
時間も無駄になるので、まったく良いことがありません。

無知というのは、本当に恐ろしいものです。

他では公開されていないここだけに書かれている情報を活用して、
「なぜその切り方で切らないといけないのか」
ということまで理解しておいてください。

そうすれば、容易に忘れることもありません。

私は、電気工事士の資格を取って働いていたこともあって、
【金ノコ(カナノコ。金属を切るノコギリ】を
扱わなければならないことがありました。

また、我々は、中学生の技術・家庭の授業で、
木ノコ(モクノコ、木材を切るノコギリ)の使い方を習っているので、
恐らく、誰でも、一度はノコギリを使ったことがあるんじゃないでしょうか。

また、毎日何かを包丁で切って、
料理しなければいけない生活を送っていますから、
包丁に関する知識も必要です。

ということで、今回の記事では、
それぞれの刃物の特徴から、
なぜ刃物をそのように使わなければいけないのか、
ということを解説していきます。

ほとんど どこにも書かれていない
包丁に関する電子顕微鏡レベルの話

TKP

学生時代、わたくしは、専門が結晶化学で、
電子顕微鏡を使った研究に毎日毎日あけくれていました。
(上の写真が使っていた電子顕微鏡の一つ)。

そういうこともあって、小さいものを拡大して、
研究するということに、大きな関心がありました。
それが、今回の記事でも生きてきます。

刃物と電子顕微鏡がどう関係があるかというと、
刃物を研いだ後、よく切れる刃物になった刃物の刃先
(刃先って、包丁の一番端っこのさきっぽの尖ったところじゃないんですね。
刃渡りのちょうど真ん中部分を刃先といいます。)を
電子顕微鏡で確認すると
(光学顕微鏡で見ることのできる程度の大きさでは確認できない。)
刃先は、ノコギリのようなギザギザになっています。

【包丁を研ぐ】という作業は、
このミクロン単位のギザギザを付ける作業なんですよね!

そのギザギザをなくして、
取っ払ってしまうようにしてしまうと、
むしろ、包丁の切れ味は激的に悪くなってしまいます。

この説明で、感の鋭い方はもう
理解されたかもしれませんが、
【包丁でものを切る】というのは実は、
ミクロン単位の『ノコギリ』でガリガリと物を切り割いていく作業だったんですよね。

だから、普段 包丁でものを切るときは、
斧をふるい落とすかのようにして、
力任せに上から押さえつけても、
全然切れないというわけなんです。

包丁を押し切りで切るべきものとは?

包丁を押し切りで切るべきものの代表例の写真

包丁を向こうに押しながら下に下ろして切るという、【押し切り】の方法で切るのは、
切られるものが、比較的かたくて、包丁で押しても潰れてしまわないもの のときです。
押し切りで切ると良いものの代表的なものは、野菜です。

凍ったものを切り分けなければいけない時にも、押し切りで切るとよいです。
その時も、無理やり上から押さえつけて切るよりも、
包丁の刃の長さ全体を利用して、スライドさせる長さが長いほうがスムーズに切れます。
そうすることで、ノコギリ状のギザギザを上手に活用して、
包丁の特徴を活用できていることになります。

包丁を 引き切り で切るべきものとは?

包丁を引き切りで切るべきものの代表例 刺し身の画像

包丁をこちら側 手前に引きながら切るとよいものの代表は、お刺し身です。
刺身包丁は基本的にいつも引き切りです。

切られるものが、柔らかいもの、例えば、
柔らかい お肉や、刺し身などは、
引き切り で 切るべきです。

逆に 押し切り で切ろうとすると、
切った断面の細胞から、
押された圧力によって旨味が逃げ出してしまいますので、
出来上がりの料理が美味しくなくなってしまいます。

特に、刺し身を切る時に、引き切りで切るように意識してみてください。
大きく刺し身の味が変わります。

落とし切り(叩き割りみたいに切る)で切るとよいものとは?

形のしっかりした野菜で、さっくりとサクサク切れるものであれば、
高速で切ることができるので、落とし切り(包丁を前後にスライドさせずに、上下運動だけで切る方法)で
切って行くことができます。

手早くちゃっちゃかちゃーと切りたい時に便利です。

出刃包丁を使うときはどうすればいいのか?

骨ごと、包丁の重みで、ガチョーンと切り分ける方式の出刃包丁は、
押し切りでも引き切りでもなく、叩き割り、落とし切り で切ります。

引き切り専用の包丁の研ぎ方のコツとは?

包丁の各部分の名称 切っ先 はら しのぎ筋 平 峰 みね 柄 柄尻 刃元 刃先を解説した画像 写真 トルコ 猫 歩き既に述べた通り、包丁を研ぐという作業は、
刃先をツルッツルにとんがらせるのが目的なのではなく、
(電子顕微鏡で拡大すると分かる程度の非常に小さな)ノコギリのような ギザギザをつけるのが 目的です。

それで、もっぱら引き切りでしか使用しないような包丁、
例えば、刺身包丁の場合、ギザギザが、
引き切りに最適な形状をしているとベストだ、ということになります。
もし、家にノコギリがあったら、実際に見てみてください。

私が言っている意味がよくわかると思います。
木を切るようのノコギリ、木ノコは、引き切り専用なので、手前に引く時に木が切れるようになっています。

ものすごく強調してそれを表現すると、こうなります。

刺身包丁は押し切りでのみものを切るから、刺身包丁の研ぎ方をデフォルトした画像

 

あくまで、わかりやすく書いただけで、
もちろん、実際にこんなスケールでギザギザをつけるべきではありませんが。

こんなにガタガタだと、実質、刃こぼれに相当して、
全然切れないということを意味しますが、
わたくしが言おうとしていることはわかってもらえると思います。

電子顕微鏡でみるとやっとわかるくらいのギザギザを
付けてほしいという意味ですからね。

もっと的確な表現を用いると、砥石(といし)のザラザラの目の細かさで
ノコギリ状のギザギザがつくように、包丁を研ぐといいということです。

今度、刺身包丁のような、引き切り専用の包丁の場合、力、方向に注意して、
ギザギザの向きが、引き切り に適した形になるようにしてみてください。

全然切れ味が違うという体験ができると思います。

押し切り専用の包丁の場合、どう研げばいいか?

押し切り専用の包丁を研ぐ時のコツ
これが、もし、押し切り専用の包丁であれば、
引き切り専用の包丁と逆のトゲトゲ ギザギザがつくように、
包丁を研ぐと良いということになります。
ただし、押し切り専用の包丁って、そうそう無いと思います。
冷凍包丁くらいでしょうかね。

木ノコ は押し切りか、引き切りか?

のこぎりと包丁の関係を示すための画像

木ノコをもしお持ちだったら、一度、刃先を見てみてください。

家に無かったら、近くのホームセンターにでも行って、見てみてください。

今まで着目してこなかったかもしれませんが、
ノコギリのギザギザって、前後(という表現でいいのかな?)対称ではないんですよね。

どの 木ノコも、ノコギリを引いた時に木材が切れるようなギザギザをしているんですよ?

だから、木を切るノコギリ、木ノコで、材木を切るときは、
ノコギリを引く時に、より強く力を入れて切るようにしなければなりません。

逆に、ノコギリを押し戻すときには、その材木を切ってはいけません。

そのときはむしろ、ノコギリを材木から離し気味にして、
単にノコギリを元の位置に戻す というだけにしなければいけません。

それでも押し込みながらノコギリを押し切りで切ろうとすると、
ノコギリが材木にひっかかり、ベヒーン って
ノコギリが曲がったり、
ギザギザの刃が飛んでなくなったりします。

ちなみに、ノコギリは、ひとつでも、
そういった刃こぼれがあると、
超超 能率が悪くなります。

実質、そんな、歯の飛んだ ノコギリは、使い物になりません。

さっさと買い替えた方がいいでしょう。

金ノコ(カナノコ、金属管など、金属をきるのこぎり)は押し切りか、引き切りか?

金ノコの刃の歯の向きを正確に表現した画像 写真

金ノコは、押し切りです。
押し切りなんですが、【包丁のような】押し切りで使うものではありません。

金ノコを持つ 持ち方が 木ノコ とは異なります。
金ノコを使うときは、ノコギリの柄に手をかけるのは当然ですが、
もう片方の手で、ノコギリの先端も握るようにする必要があります。

それで、自分の体からみると、「押し切り」ではありますが、
ノコギリの先端を握っている手は引っ張るように力を入れながら、
柄を持っている方の手を押すようにして、金属管などを切っていきます。

それで、ノコギリという分類に入る刃物ですが、
金ノコと、木ノコで、切り方が真逆なんですよね。

金ノコには、替刃があって、自分で刃を装着し直さないといけないことがありますが、
そのときも、押し切り になるように、歯の向きに注意して装着する必要があります。

斧は押し切りか、引き切りか?

斧と包丁の違いを表すための画像。斧は切り落とし方法で切り分けるための道具だが、若干引き切りにするとよい。

斧は、薪(まき)などを上から叩き割る方法で切り分けるので、
押し切りでも引き切りでもなく、落とし切り、叩き割りですね。

ただ、斧の柄の回転弧を利用して叩き割っているので、
事実上、引き切りのメリットも利用しているとも言えますね。

あまりにも硬い薪を割るときには、単に上から振り落とすだけよりも、
ちょっとでも、引き切りなるようなイメージでやるとうまくいきます。

ただしあまりに引きすぎますと、
自分の足を叩いちゃいますから、気をつけましょう。
回転弧によって、結果的に引き切りになるくらいのイメージでちょうどいいでしょう。

包丁 ノコギリ 斧の押し切り 引き切り 落とし切りのまとめ

押し切り 引き切り 落とし切りのどれが最適かを解説している包丁の画像


  • 野菜等、形のしっかりしているものを 包丁で切るときは、押し切り
  • お肉、刺し身など、柔らかいものを 包丁で切るときは、引き切り
  • 形のしっかりしたものを高速できるときは、落とし切り
  • 刺身包丁など、引き切り専用の包丁を研ぐときは、引き切りに適した研ぎ方になるように注意する
  • 木ノコで材木を切るときは、引き切り のみ
  • 金ノコで金属管を切るときは 押し切り のみ
以上のような知識を持って、料理、大工、工作をすれば、うまくいきます。
こういう知識って、ホント、一生モンですよね。
道具を上手に使って、リオンに美味しい料理をごちそうしてくださいませ(笑)

ちなみに、包丁の本場「堺」の包丁をお得に購入する方法がありましたので
紹介しておきますね。
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