規則ばっかり作るのが好きな日本人は、
原則で行動することが苦手であるといわれていいます。
でも、日本人が原則と規則の違いを理解できないのは、
至極 当然なんです。
この記事では、われわれ 日本人が、 なぜ 原則と規則の意味の違いを
決して理解できないのか? についてわかりやすく解説します。
「原則」という言葉の定義とは?
「原則」という言葉は、
英語のPrinciple という単語に対する訳語として
用いられていることが多い単語です。
英語では、Principle という語は、次のように定義されています。
一応、日本語にしておくと、
『 Principle(s)とは、時間や状況のいかんを問わず、
絶対に変化することのない基本的な真理・真実のことです。
Principle は、基礎・基盤を規定しており、
その規定された基礎・基盤の上に、
特定のlaws(法律・規則など)が成り立っています。』
とのこと。
ここで、着目したいのは、 Principle とは、
「どんなに状況が変化しようとも、
どんなに何年先になっても、
あるいは、どんなに何億年前にもさかのぼったとしても、
「絶対に例外が出てくることがありえない 基本的な真理・真実のこと」なのだ、ということです。
ここで、感の鋭いあなたは、
「え?」
とか、
「おや?」
と、気付いたことでしょう。
「「「【原則】って、
そんな意味だったっけ?」」」
と思ったあなた、それで正解なんです!!!
日本語で言うところの、「原則」という単語は、
本来、英語で言うところの 「Principle」 とは全く違う意味で用いられているんです。
原則という日本語の言葉に関する
日本の各 辞書による定義とは?
「広辞苑(第6版)」によると、原則とは、次のように定義されています。
② 人間の活動の根本的な規則。基本的なきまり。原理とほぼ同義に用いられるが、原理はむしろ存在の根拠を意味する。「―から外れる」「―として許可しない」 」
まぁまぁいい線行ってますよね。広辞苑の定義。
「岩波 国語辞典」 によると、
これもいい線行ってますよね。感覚的に、そういう雰囲気で使うことが多い単語です。
「藤堂 漢字源」を見ても、
とあります。
つまり、どの辞典を見ても、日本語では、
『原則とは、多くの場合に適用でき、
特別な例外を除き適用される基本的な規則』である
ということで落ち着いています。
そうなんですよ。
日本語でいうところの、
「原則」という言葉には、「例外」が存在する。
というか、
むしろ、例外をいうために、「原則」という言葉を使いますよね?
たとえば「原則、門限は夜の11時」という貼り紙があったら、どう考える?
たとえば、「原則、門限は夜の11時とする。」という貼り紙が、
寮に掲げてあったとしたら、
「ということは、絶対に11時の帰ってこないといけないんだ!」と思う人が、
日本人の中に、一人でもいるでしょうか?
いいえ、そんなことを考える日本人は、たったの一人も、いませんよね?
「原則、門限は夜の11時とする。」って書いてあったら、
日本人がそれを読めば、誰しも100人中100人、例外なく、
「あー、この規則には続きがあって、11時を超えても良いときがあるんだな?」
と、考えます。
「原則、門限は夜の11時とする。
但し、やむを得ない事情がある場合は、臨機応変に対応するので、その都度、寮長に相談のこと。」という風に、
【但し書き】が続いて、「例外の規定があるんだろうな」ということが、期待されます。
ですので、ちょうど、
文章中に「決して」とくれば後に必ず「~ない」が来るとか、
古文の「こそ」がくれば、その後の結びは「~すれ」になる、みたいな感じで、
「呼応の副詞」とか、「係り結びの法則」のように、
「原則」と言われれば、「但し」と来て、その後には例外規定が続く」
ということが、自然に予期される表現なのです。
英単語の Principle(s) と日本語の 原則 という単語の対比
ところで、振り返りますが、
英語のPrincipleはどういう意味だったか?
そう。「Principle とは、絶対に例外が存在しない基本的な真理・真実」なんですよ。
これに対して、
日本語の「原則」とは、
「多くの場合に適応できる規則であるが、
むしろ、
例外があることを暗示するために使用される言葉」なんですよ。
重大なポイントに気づかれましたか?
つまり、Principle の訳語として、「原則」を当てているようでは、
ニュアンスが違うとか、フレイバー(風味)が違う、、どころではなく、
もう、まるっきり
真逆のことを意味している
んですよ。
こういう理由があって、Principle の訳語に、「原則」という言葉を使っている以上、
日本人が、本当の意味での「原則」と「規則」の意味の違いを理解するということは、
決してありえないのです。
Principle に対するテキトー・適切な日本語の単語とは?
「んじゃー、Principle には、どの日本語を当てるといいの?」
という話の流れになりますが、
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Principle に対する適当・適切な日本語の単語が無いんですよね。。。トホホ。
「原理」ぐらいが妥当ですが、
【原理】というと、
この単語は、「ハイゼンベルクの 不確定性原理」みたいに、
主に物理法則のところで使う用語なので、
ちょっとニュアンスがずれてしまいますよね。。。
ということで、どうしてもピッタリの単語がないんなら、
もう、日本語に、英単語をそのまま入れ込んで
「Principle とは、時代や状況のいかんを問わず、絶対に例外の存在しない基本的な真理・真実のことである」と書くしかないですね。
日本語文章中にアルファベットが入り込むのが、
じーさん・ばーさんには(おっと失礼)受け入れられないということなのであれば、
「プリンスィプル とは、時代や状況の、、、」と、
事実上の翻字(ほんじ。ギリシャ語の「アガペー」とか、「プネウマ」のように、原語の読みを無理やりカタカナで読んだだけもの)を使うしかないですね。
(というか、もう、いい加減、日本語の文章中に
そろそろアルファベットを入れ込んでも良い、
という方法を採用しても良いんじゃないでしょうか。
だって、The Japanese live on rice.
これを、未だに、「ザ、ジャパニーズ リブ オン ライス」って書かなきゃいけないから、
「へー、あいつら、毎日シラミ食って生きてんだー(笑)」ってなるわけですよ。)
日本語で 原則と規則は どう違うのか
しかも、「広辞苑」の定義にもあるように、
日本語では、「原則とは・・・根本的な規則」と定義されていることからもわかるように、
究極的にいうと日本語では、「原則とは、・・・規則」なんですよ!
Principles と Laws は、まったく別物の単語であるから、
なんとかその違いを理解しようと ディスカッションしようとしているのに、
「原則とは、・・・規則」であるという定義があるようでは、
その違いを理解できるわけがありませんよね?
数学でいうところの、原則と規則の
包含関係が、まるっきり逆
ということなんですよ!
このページを閲覧上の注意点をひとこと
ただし、この記事を書いた目的は、このページに来ていただいて
このページを読んでくださっているあなたが、
「原則」と「規則」の違いを理解できるようになるということ
だけ
です。
他の目的は一切ありません。
このページにわざわざきて、ここまで読んでくださった あなたが、
「あー、本来、
例外のない絶対的真理(Principles)と、
とりあえず間に合わせに作った決め事(Laws)との違いのことを言っていたのか」
とわかってもらえれば、それで十分です!
間違っても、『豚に真珠を与える』ようなことはしないでください。
PrincipleとLawの違い、原則と規則の違いを、
日本人が決して理解できない理由のまとめ
- 日本では、Principleの訳語として、「原則」という言葉が当てられている。
- 本来、「Principle とは、時代や状況のいかんを問わず、いかなる状況においても、絶対に例外の存在しない基本的な真理・真実のこと」を意味している。
- 日本語でいう「原則」は、例外が存在することをいうために使う言葉である。
- Principleの日本語訳に「原則」という言葉を当てている限り、日本人が『原則』と『規則』の違いを理解することはありえない。
- やはり、豚に真珠を与えるべきではない。
では、引き続き、
ベールのかかった真理・真実をたくさん紹介していきますから、
ご期待くださいね。
ちなみに、【原則中心】で生活するようになると、
突然 人生がすこぶる順調に回るようになります。
全世界でベストセラーになった、
スティーブン・R・コヴィー氏の名著「7つの習慣」にも、「原則中心」の概念が出てきます。
ただし、スティーブン・R・コヴィー氏も、アメリカ人なので、
当然、この記事で書いた、【原則と規則の違い】について理解してから
その本を読まないと、わけが分からなくなってしまいますよ。
なので、まず、この記事の、「原則と規則」の違いを理解してから、
「7つの習慣」を読んでみてくださいね。
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